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連続ブログ小説「万年筆のある風景 第3話 女の同僚」

パーカーPARKER
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昼休みを終えてデスクに戻ると、午前中お断りしたはずのマドレーヌが、キーボードの上にお供えしてあった。
本当に勘弁してほしい。
こんなもの食べてしまうと、また調子に乗っていろいろ食べて、TOMOさんに怒られることになる。
とりあえず視界から消すために、パソコンの後ろに追いやった。ああ、なんて美味しそうなの。本当勘弁して。
「えーーー。食べないの?美味しいのに。」
隣の席に戻ってきた同僚の佐々木加奈子が、目ざとく見つける。
佐々木加奈子はものすごく痩せていて、それをひけらかしているが、もう40を越したため徐々に老け始め、痩せているのでたまに老婆のように見えるときがある。
時々いすに座るとお尻が痛いと主張している。
「トレーナーに怒られるからさ。食べる?」
「いいの?わーい」
マドレーヌを引き取ってもらえた。安堵とともに少しの寂しさが湧いた。なんてさもしいのか私は。
「でもさ、アヤちゃんめっちゃ痩せたよね。もう全然オッケーじゃん。」
なにに対してなにがオッケーなのか。お前にオッケー出されてそれが何の免罪符になるのか。
そもそもお前にオッケーオッケー言われてつい食ってしまったのが原因でこの間怒られたんだよ。
「まだまだ軽肥満だし。体重」
確かに元が太りすぎていたため、痩せたと調子に乗ってしまったのも事実だが、やはり結婚式のときからいうとまだ15kgは太っているのだった。
夫も子供もなにも言わないで置いてくれているが、それが原因で太ったようなものだ。
「万年筆ってさ、使ったことある?」
佐々木加奈子は突然話題を変えた。この人はすごい速さで話題を変えたり、また持ち出したりするため、割と疲れる。
「中学くらいのとき、書写の授業で使わなかった?」
やたらと長くて、しりの細い、ペンケースに収まらない大きさの万年筆のようなものを使った気がするが、数回のものだった。
「ああ、ああいうダサいやつじゃなくてさ。かわいいやつほしいんだよね。」
この人、メモを取らずに度々やらかす癖に、万年筆なんか持っても書くのか??
「そういえば、私が教えてもらってるトレーナーさん、超マッチョなのに万年筆持ってたよ。使わせてもらったけど、すごく書きやすかった。」
「へえ!そうなんだ!案外いるんだな。万年筆持ってる人。ね。見てみて。」
佐々木加奈子のパソコンの画面には、仕事中だというのに、ペンのメーカーのHPが映し出された。
海外のメーカーらしく、アクセサリーのように綺麗なものもある。
「あ、それかわいい」
目に留まったのは、パールとピンクゴールドでできた万年筆だった。
「かわいいよね。35,000円だって。」
「35,000円!?うわーーー。オーブンレンジ買えるじゃん!」
子供が生まれてから、自分のためにお金を使うことはあまりなくなった。字を書くことなら100均のボールペンで事足りるのに、なぜわざわざ35000円・・・・。
次のボーナスでは、オーブンレンジを買い換えようと思っていたため、とても余裕はない。
佐々木加奈子は独身でしかも実家から通っているため、万年筆の一本や二本買えるだろう。
「あーでもほんと、これかわいいな」
「何でまた急に万年筆なの?」
「うーん。いろいろね、なんかスマホばっかり握りしめてるのみっともないなあと思って。」
ぎくっとした。一昨日夫に食事中にスマホをいじるなと注意されたばかりだった。
スマホのことを言われると急に後ろめたい気持ちになってくる。

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